旧荘川村(岐阜) 山中山(1631.3m) 2022年3月5日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 5:59 県道除雪終点−−6:45 林道を離れる−−7:37 1284m峰−−8:43 山中山 9:07−−9:24 1585m峰−−9:36 1531.0m三角点峰−−9:57 1345m峰−−9:59 ゲレンデトップ−−10:26 林道−−10:32 県道除雪終点

場所岐阜県高山市(旧荘川村)
年月日2022年3月5日 日帰り
天候晴後曇
山行種類積雪期の藪山
交通手段マイカー
駐車場県道除雪終点に駐車
登山道の有無積雪で不明だがたぶん無し。でも往路の尾根は目印多数あり夏道がある可能性あり
籔の有無積雪のため皆無
危険個所の有無無し
冬装備スノーシュー
山頂の展望南側が開ける
GPSトラックログ
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コメント一般的には東側の「めいほうスキー場」リフト終点からスキーで往復するようだが、旧一色国際スキー場(一色キャンプ場)から一色川沿いの林道を進んで西尾根から山頂に上がり、帰りは北尾根を下って旧スキー場へと周回コースを組んだ。日本海に前線が進む最中で風と雨が心配だったが天候悪化前に下山できた。林道にはスノーモービルのトレースがあったのでラッセル皆無で体力と時間をセーブできた。往路で使った西尾根は目印多数で、もしかしたら作業道があるかもしれない。山頂にはめいほうスキー場からのスキートレースあり。山頂は立ち木が意外と多かったこととこの日は黄砂が飛んで展望はイマイチだった




県道除雪終点 除雪終点前に駐車
一色の森キャンプ場入口 キャンプ場に入らず一色川沿いの林道へ。スノーモービルのトレースあり
ここで林道を離れて斜面へ取りつく 標高1050mで植林帯に入る
標高1100mで林道に乗る 標高1160mで林道を離れて右手の斜面へ
標高1180m鞍部で林道を横断 北斜面を登って尾根へ
標高1190mで尾根に乗る 1284m峰
標高1300m付近から急傾斜が始まる 急すぎて登れず右へ迂回
標高1360m付近で尾根に復帰 1390m肩で右からの太い尾根に合流
標高1400m付近 このようなピンクリボンの目印多数あり
標高1490m肩 赤ペイント目印も多数あり。夏道があるのかも
標高1510m肩 標高1510m肩から西の眺め。黄砂で煙っている
標高1530m付近。積雪は50cm程度か カモシカの足跡は各所に多数あり
標高1580m付近から振り返る 標高1610m付近
山中山山頂の一角に乗る めいほうスキー場からのスキー跡
山中山山頂。山頂標識あり 自分の足跡
薄雲がかかってきた。冷たい南風が強い 帰りは北尾根経由で下山することに
標高1580m付近から見た北尾根
1560m鞍部付近の雪庇 1560m鞍部付近から見た1585m峰
境界標識。北尾根には目印はほとんど無かった 1585m峰から北西を見ている
標高1490m付近から見た山中山 1520m峰付近から見た1531.0m三角点峰
1531.0m三角点峰 動物の足跡が集中した場所
標高1500m付近の目印。ほとんど見なかった 標高1490m肩で北西へ進路を振る
標高1460m付近 標高1430m付近で南斜面が植林に変わる
標高1380m峰 標高1350m付近。尾根地形ではなく広い斜面を下る
1320m鞍部の大木。カツラか? 1345m峰
1345m峰からの下り 旧ゲレンデトップ直下。ここからトレースあり
スノーシューとスキーのトレース 旧ゲレンデを見下ろす。トレース多数あり
スノーモービルとスノーシューの跡 リフトの支柱だけ残っていた
柵の頭だけ出ていた ゲレンデを離れて林道を南へ
再び下へ スノーブリッジで沢を横断
沢を見下ろす 往路の林道に出た
切り出した木材置き場 一色川にかかる橋
一色川 対岸から見た旧スキー場。リフトは撤去されている
除雪終点


・上から読んでも下から読んでも山中山である(笑) 場所は先週登った白尾山の北方で、鷲ヶ岳よりもさらに北に位置するが尾根が異なり、鷲ヶ岳とは一色川を挟んで反対側になる。尾根続きは昨年に登った烏帽子岳ですぐ北側の山である。ネットで調べたところ予想通り登山道は無いらしく、一般的には東側の「めいほうスキー場」のリフト終点から往復らしいが、ネットの検索では記録は数件だけでありほとんど登られない山のようであった。こんな山でこそ雪のある時期に登るのにふさわしい。

・ルートであるが、私はスキーではなく歩いて登ることと、長野からの車でのアプローチの関係上、めいほうスキー場ではなく逆側の一色川沿いから登ることにした。ここには県道452号線がありどこまで除雪されているのかネットで調べたら、旧一色国際スキー場まで除雪されているとのこと。ずっと手前で除雪終点だった場合、一本東側の寺河戸川沿いの寺河戸集落から登る予定でいたが、これで距離がずいぶん短縮可能だ。

・登頂予定日の土曜日は悪いことに日本海に前線を伴った低気圧が進んで強い南風が吹いて日本海側では天気が崩れる予報である。山中山の付近は日本海側と言っていいのか微妙な場所であるが、雪が多いことは間違いないので天気も悪そうだ。南風が強いと予想されたため尾根歩きはできるだけ短くすることにして、旧スキー場から一色川沿いの林道を南下して山中山西尾根を登ることにした。これなら山頂付近まで南風をもろに受けることは無いだろう。

・長野から旧荘川は遠い。安房トンネルを抜けて高山経由で中部縦貫道無料区間のみ使ってあとは国道158号線で荘川へ入り、荘川IC手前で県道に入る。県道は人家がある区間はしっかりと除雪されているが、人家が無くなると路面に雪が目立つようになるが、冬タイヤであれば問題ない程度に除雪されていた。

・そして除雪終点は情報通りに旧スキー場入口であった。旧スキー場は「一色の森キャンプ場」に姿を変えており、おそらく橋の対岸はキャンプ場の私有地だろうと判断して県道除雪終点に駐車した。気温は予想に反して-4℃くらいまで冷えており、これなら雪質は期待できそうだ。

・スノーシューをザックに括り付けて出発。今回は日中は気温が上がりそうなので軽量化優先で防寒機能の無い登山靴とし、冬装備はスノーシューと軽ピッケルとした(ピッケルは使わなかった)。天気が崩れて雨や雪の可能性があるのでボロゴアではなく下界用のカッパを持つことにした(こちらも出番は無かった)。なお、早朝はまだ青空が見えており、天候悪化のサインは見られなかった。

・一色川沿いの林道に入ると意外にもスノーモービルのトレースがあり、ツボ足でも全く沈まずに楽に歩けた。これは予想外の幸運で、結局は西尾根取り付きまでずっとスノーモービル跡が続いていてラッセル不要で、体力も時間も大幅に節約できた。

・適当な斜面で西尾根に取り付くことにしてスノーシューを装着。最初は立木が無く日当たりがいい緩斜面でほとんど雪が沈まないが、杉の植林帯に入ると足の甲くらいまで沈むようになる。でも表面がクラストしていないので体重をかけると連続的に沈むので比較的歩きやすい。これが体重をかけると不意にズッボっと「非線形」に沈むタイプの雪質だと同じ沈み量でも体力を消耗する。まだ残雪期としては早いので雪が締り切っていないのは仕方ない。

・標高1100mで地形図通りに林道に遭遇。尾根を進むか林道を進むか少し考えたが、林道の方が無駄なアップダウンがなさそうなので林道を進む。こちらも植林なので雪質は尾根上と大差なし。林道が左に逃げる箇所で植林の中を直進するが再び林道に遭遇し、それを突っ切って北斜面を登って尾根に出る。この先は林道は尾根から大きく離れてしまうので、ここからは尾根歩きとした。

・標高1300m付近では地形図から読み取れる以上に傾斜が急で、よくもまあ植林したと思えるような場所だった。スノーシューでは直登は厳しいので右手の急斜面をトラバースし、ジグザグに上がって標高1360m付近で尾根に復帰した。ここも杉植林が続いた。

・標高1390m肩で右側から顕著な尾根に合流し、尾根の北側は杉の植林、南側は唐松植林に変わる。この付近から杉の枝に乗ったままの雪が目立つようになり、つい最近まとまった降雪があったか、それともここ数日は気温が低くて雪解けが進まなかったのだろう。ちなみにもう下界では花粉の飛散を感じるが、ここでは杉の横を通っても花粉は全く感じられなかった。見た感じではこの界隈の杉は明らかに花芽が少なく木全体が緑色をしている。これが花粉たっぷりの杉だと茶色やオレンジ色に見え、関東では山全体がそんな色になっている。この時期は私は関東の雪の無い山はもう登るのは不可能だ。

・植林帯を歩いている時もピンクリボンの目印は良く目についたが、杉の植林帯が終わってもピンクリボンと木の幹に付けられた赤ペイントは多数見かけた。赤ペイントは低い位置のものが多く無雪期にマーキングされたように思え、もしかしたら植林等の作業道が尾根上にあるのかもしれない。ちなみに帰りに使った北尾根にこれらの目印はほとんど無かった。

・まだ植林が続くが標高1450m付近からブナが見られる様になり、1490m肩付近からは北斜面の杉植林は終わって広くブナの自然林に覆われて明るくなる。1510m肩では途中から折れた枯れたブナがいい目印になっていて、ここで樹林が開けて展望が得られる。残念ながら今日は黄砂が飛んで遠望が効かないし、前線に近い日本海側の山々は雲の中だろう。

・樹林が薄くなると前方に山中山山頂らしき緩やかな白いピークが見えてきた。周囲に地面が見える場所は皆無だが、雪面から根曲がり竹が顔を出していたり、ブナの太い根元が見えていたりしたので積雪量はそれほど多くないようで、場所によっては50cm程度しかないようだった。積雪量が多い今年でこの程度では例年では3月には雪が疎らにしか無いなんてことになっているかも。特にこの尾根は西向きなので積雪量が少なく雪解けも早いはずだ。

・北側から顕著な太い尾根(北尾根)が接近して来れば山頂は近く、雪庇ができることなく山頂の一角に到着した。地形図で分かる通り山頂付近は平坦な尾根が細長く延びており、三角点のある山頂が僅かに高いだけ。現場を見渡しても特段のピークは判別できずどこも同じような高さであったが、地形図では三角点は北尾根合流点より南東側にある尾根の屈曲点にあるのでそちらに向かうと、めいほうスキー場からと思われる1本(1往復)のスキー跡が登場し、その折り返し点付近のブナに山頂標識がかかっていた。標識の位置は雪面から低い位置であるが、これは今年の積雪が多いからか、それとも無雪期に付けられた標識だからなのかは不明である。今の状況では積雪量は全く分からない。山頂一帯はブナが覆っていて意外に展望は悪く、南に開けるのみであったがその方向には私が知る顕著な山は皆無だ。

・予報通り南風が強くしかも冷たい風なので風を避けられる凹地に陣取って休憩。天候は朝より少し悪くなって全体を薄雲が覆っていたが未だ日差しの温かさを感じることができ、すぐに雨や雪が降ることは無さそうだ。そこで帰りのルートは往路を戻るのではなく北尾根を経由して旧スキー場付近へ降りることにした。これなら風向きは背中からなので体感的な寒さは比較的厳しくないし、同じルートを下るより断然楽しい。ただし自分のトレースは無いのでラッセルは必要だが、ほとんどの区間は下りなので大きな労力はかからないだろう。

・休憩を終えて北上。最初の方は真っ平のためブナ樹林で視界が遮られて尾根の続きが見えないが、下りが始まると尾根がどうつながっているのかが明瞭に見えるようになり、地図を見なくても「有視界飛行」で歩けるようになった。分かりやすい2つのピークは1585m峰と1531.0m三角点峰で、この先はこれらがいい目印になる。気温はあまり上がっていないようで雪質は往路とほとんど変わりがなく、沈んでも足の甲程度で踏み抜きは皆無に近かった。

・1560m鞍部付近は大きな雪庇が登場。そういえば今回のルートでは雪庇はほとんど見られなかった。1585m峰を越えると尾根幅が広がって傾斜も緩やかになり尾根の続きがどこなのか見えなくなるが、やや進路を左に振って肩地形を下れば再び先が見えるようになる。これまでは全体がブナを中心とする自然林だったが、この付近から尾根の東側は唐松植林に変わる。

・1520m峰を1531.0m三角点峰と誤認しそうになったが、先にもっ高いピークが登場して地形図を眺めてあっちが三角点峰とと分かった。1531.0m三角点峰は唐松植林だが、ここを越えると再びブナの自然林に変わった。1490m肩で方位磁石で方角を確認して左に進路を振って北西方向の尾根に乗り、これで旧スキー場へのルートに乗ったことになる。

・標高1430m付近で左手に植林が登場し、1380m峰で全体が杉植林に変わる。このまま直進すると尾根が消滅して谷に吸い込まれるので左側の植林斜面を下るが、ここは狭い筋状の落葉樹の列が続いておりいい目印になった。おそらく防火帯として植林に隙間を空けたところに日当たりのよさで落葉樹が入り込んだのではなかろうか。1345m峰手前の1320m鞍部には大きな落葉樹が立っていた。木の種類は分からないがカツラっぽい?

・1345m峰は杉の植林に覆われて展望は無しだが、ピークを抜けると暗い植林から明るい自然林に不意に切り替わった。少し下ると旧スキー場のゲレンデトップが登場。リフト最終駅の跡が残るがリフトそのものは撤去されているという珍しいパターンだった。廃業したスキー場はどこもリフトはそのまま残っているものばかりだったのに、ここでは途中の支柱まで撤去されており、下部に見えるゲレンデは構造物が無いまっさらな雪原であった。

・リフト終点駅後には意外な物があった。切り出した雪のブロックを積み上げたイグルーで、近くに一人の若者がいた。キャンプ場の利用客なのか、それとも無関係なのかは不明。リフトが無い環境でここまで上がってくるのは時間がかかっただろう。この先の尾根にはこの男性のスノーシューの跡が延々と続いていた。

・旧リフト駅から下はゲレンデが延びていたはずだが、しばらくは立ち木があちこちに見られてゲレンデっぽくない。明らかにスキー場っぽくなるのは尾根の傾斜が緩くなる標高1150m付近からで、高い位置から見下ろすといくつものトレースが自由気ままに軌跡を描いている。ゲレンデに入ると軌跡の多くはスノーモービルであることが分かった。リフトが無い環境でここまで歩いて登ってくる人はそれほどいないのは無理もなかろう。他にスノーシューの跡はあったがスキー跡はなかった。

・しばらくはゲレンデを下ったが、このまま下れば最後はキャンプ場に出てしまう。利用者でもないのにその敷地内に入るのはイヤなので、標高1000mで南に延びるスノーモービル跡に乗り換えるとすぐに雪に埋もれた林道に乗り、ゲレンデの南側の自然林の樹林帯に入ったので下へ向かう。下り続けると沢が登場。水量は多くはなく簡単に渡れる程度だが流れが出ている場所が大半であり、雪面と水面との境界は段差が高い雪壁でありこれをクリアすのが大変。よってスノーブリッジで対岸と繋がった場所を探して対岸へ渡った。こんな傾斜が緩い場所でも意外と谷が深く切れ込んでいるものだ。

・沢の左岸を下ると渡った沢にかかる橋を発見。これがスノーモービルの跡が延びる往路に通った林道だった。面倒なのでスノーシューを履いたまま林道を歩き、伐採された丸太が積まれた除雪箇所でスノーシューを脱いだ。林道の西側に置かれたパワーショベルがこの一帯を除雪した重機なのだろう。

・この時刻になるとキャンプ場の営業時間らしく、駐車場に車も見えるしゲレンデ下部には人の姿も。それを横目に橋を渡って県道除雪終点へ向かいゴールイン。天気は曇りに変わっていたがまだ僅かに日の温かさが感じられる明るい曇りであり、ここでは南風は感じられなかった。靴やスノーシュー、ロングスパッツを干しながら車の中で着替えて残った飯を食っていると小粒の雨が断続的に落ちてきた。しばらくは雨は僅かに降ったり止んだり程度で屋外でも濡れるほどではなかったが、夕方からは本降りの雨に変わった。

 

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